投稿者: nonnonnonpi9948

  • 株式会社レスターWPG 第21期決算公告(2025年12月期)

    株式会社レスターWPG 第21期決算公告(2025年12月期)

    エレクトロニクス商社のレスターWPGの決算公告を掲載します。

    決算日は2025/12/31です。

    決算公告

    株式会社レスターWPG 第21期決算公告(2025年12月期)の公告

    コメント

    レスターWPGは、株式会社レスターとWPG Holdingsが出資するエレクトロニクス商社です。国内外の顧客基盤とWPGの国際的な事業基盤を組み合わせ、電子部品・半導体分野に関わる商社事業を展開しています。当期純利益は約2,416万円、期末純資産は約33.64億円でした。総資産約48.39億円に対する純資産比率は約69.5%です。流動資産約48.10億円が総資産の大半を占めますが、商品在庫や売上債権の内訳は公告に記載されていません。公式沿革には、2023年7月の第三者割当増資によるレスターホールディングスの51%出資と、2024年1月の現社名への変更が記載されています。この過去の資本参加と、今回の決算公告は区別して扱っています。

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  • 株式会社メモリード宮崎 第38期決算公告(2026年5月期)

    株式会社メモリード宮崎 第38期決算公告(2026年5月期)

    宮崎県で冠婚葬祭・ホテル・貸衣裳などの事業を展開しています。

    決算日は2026/05/31です。

    決算公告

    株式会社メモリード宮崎 第38期決算公告(2026年5月期)の公告

    コメント

    メモリード宮崎は、宮崎県内で婚礼・葬祭を中心に、ホテル、貸衣裳、レストラン、写真スタジオなどを展開する企業です。冠婚葬祭に加えて宿泊・飲食など複数のサービス事業を営んでいます。2025年6月1日から2026年5月31日までの決算は、売上高46.77億円、営業損失3.63億円、当期純損失4.91億円でした。営業利益率は約マイナス7.8%、期末純資産は11.14億円です。株主資本11.02億円に評価・換算差額等1,200万円を加えた金額を純資産として扱っています。宮崎銀行の公表資料では、2023年3月24日に新館建設資金を目的とする2億円の5年物私募債を発行しています。これは借入性の資金調達であり、株式による調達とは区別しています。今回の赤字の原因は公告だけでは特定できません。

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  • 株式会社TAPP 第10期決算公告(2026年6月期)

    株式会社TAPP 第10期決算公告(2026年6月期)

    不動産投資を中心とする事業を展開しています。

    決算日は2026/06/30です。

    決算公告

    株式会社TAPP 第10期決算公告(2026年6月期)の公告

    コメント

    TAPPは、投資用不動産の販売に加え、不動産開発・管理、賃貸仲介、資産運用コンサルティングなどを手掛けています。物件の販売から購入後の管理まで、不動産投資に関わる幅広いサービスを提供する会社です。当期純利益は約10.45億円、期末純資産は約18.16億円でした。総資産約51.65億円に対する純資産比率は約35.2%です。流動資産は約46.71億円ですが、公告に内訳はないため販売用不動産や現預金の構成は分かりません。公式代表メッセージでは2016年の創業と、不動産投資の専門性にテクノロジーを取り入れる方針が紹介されています。本公告には売上高・営業利益がなく、利益率や前年からの成長率は算出していません。

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  • ホクレンくみあいファーム株式会社 第2期決算公告(2026年3月期)

    ホクレンくみあいファーム株式会社 第2期決算公告(2026年3月期)

    ホクレンくみあい飼料の100%子会社で、北海道の採卵養鶏農場を運営しています。

    決算日は2026/03/31です。

    決算公告

    ホクレンくみあいファーム株式会社 第2期決算公告(2026年3月期)の公告

    コメント

    ホクレンくみあいファームは、JA全農・ホクレングループの採卵養鶏農場運営会社です。北海道内の農場で鶏卵の生産を担い、2025年4月にホクレンくみあい飼料の4農場を引き継いでいます。当期純損失は約2.89億円、期末純資産はマイナス約2.33億円で、公告上は債務超過です。総資産は約22.17億円でした。公式沿革では2024年10月に設立され、2025年4月にホクレンくみあい飼料から農場事業を譲り受けて事業を開始しています。公式サイトでは全農場で成鶏60万羽、ヒヨコ20万羽を飼養する規模が紹介されています。売上高と営業損益が示されていないため、損失の具体的な原因は本公告だけでは判断できません。公告内の日付は2026年6月25日、今回の官報掲載日は10月6日です。

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  • カタログハウス販売株式会社 第49期決算公告(2026年6月期)

    カタログハウス販売株式会社 第49期決算公告(2026年6月期)

    通販生活の関連会社で、広告媒体商品の受注代行や物流センターの運営を手掛けています。株式会社カタログハウスとは別法人です。

    決算日は2026/06/30です。

    決算公告

    カタログハウス販売株式会社 第49期決算公告(2026年6月期)の公告

    コメント

    カタログハウス販売は、「通販生活」の関連会社として、広告媒体を通じた商品の受注代行と物流センターの運営を担う企業です。通販の商品企画・出版を手掛ける株式会社カタログハウスとは別法人で、受注・物流の業務を支えています。当期純利益は6,200万円でしたが、期末純資産はマイナス3,400万円で、公告上は債務超過です。単年度で黒字であっても、利益剰余金がマイナス4,400万円のため純資産のマイナスが残っています。公式の関連会社情報では、商品受注代行・物流センター運営が事業内容として示されています。本公告はカタログハウス販売単体の決算であり、通販生活やカタログハウス全体の業績を示すものではありません。売上高・営業利益は公告に記載されていません。

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  • 鳥海南バイオマスパワー株式会社 第10期決算公告(2026年3月期)

    鳥海南バイオマスパワー株式会社 第10期決算公告(2026年3月期)

    山形県遊佐町で出力52,900kWの木質バイオマス発電所を運営しています。

    決算日は2026/03/31です。

    決算公告

    鳥海南バイオマスパワー株式会社 第10期決算公告(2026年3月期)の公告

    コメント

    鳥海南バイオマスパワーは、輸入木質ペレットを主な燃料とする再生可能エネルギーの発電事業を営んでいます。山形県遊佐町の出力52,900kWの発電設備を運営しており、今回の決算では発電事業の売上拡大と採算の変化が注目点です。2025年4月1日から2026年3月31日までの売上高は63.92億円で、前期40.75億円から約56.9%増加しました。一方、営業損失は6.82億円、当期純損失は9.02億円となり、前期の営業利益8,100万円・純損失4,500万円から損益が悪化しています。売上原価69.68億円が売上高を上回り、法人税等調整額3.70億円も計上されています。期末純資産は13.38億円、純資産比率は約4.7%でした。原価増加や税効果の具体的な背景は公告だけでは特定できません。

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  • 鳥海南バイオマスパワー株式会社 第9期決算公告(2025年3月期)

    鳥海南バイオマスパワー株式会社 第9期決算公告(2025年3月期)

    山形県遊佐町で出力52,900kWの木質バイオマス発電所を運営しています。

    決算日は2025/03/31です。

    決算公告

    鳥海南バイオマスパワー株式会社 第9期決算公告(2025年3月期)の公告

    コメント

    鳥海南バイオマスパワーは、山形県遊佐町で出力52,900kWの発電所を運営する事業会社です。輸入木質ペレットを主な燃料とし、パーム椰子殻(PKS)も使用する木質バイオマス発電を手掛けています。2024年4月1日から2025年3月31日までの決算は、売上高40.75億円、営業利益8,100万円、当期純損失4,500万円でした。営業段階では黒字ですが、営業外費用1.56億円などを計上し、経常損失は7,100万円となっています。期末純資産は22.41億円、純資産比率は約6.6%です。公式資料による出資比率は東北電力75%、オリンピア15%、静岡ガス&パワー10%で、発電所は2024年度に運転を開始しています。次の第10期決算は別記事として扱います。

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  • HOBE ENERGY株式会社 決算公告(2025年11月期)

    HOBE ENERGY株式会社 決算公告(2025年11月期)

    蓄電池とエネルギーマネジメントシステム(EMS)の開発・提供を手掛けています。

    決算日は2025/11/30です。

    決算公告

    HOBE ENERGY株式会社 決算公告(2025年11月期)の公告

    コメント

    HOBE ENERGYは、小型・産業用の蓄電池や、電力の利用・制御を担うエネルギーマネジメントシステム(EMS)を扱う企業です。蓄電池製品と制御技術の両面からエネルギー利用を支援しています。当期純損失は約9,395万円、期末純資産は約2.59億円でした。2025年10月21日にはAbies Venturesを引受先とする資金調達を公表し、EMSの研究開発や新技術の量産化準備などに充てるとしています。調達額は公式発表に記載されていません。同じ官報には資本金を76,000,542円減少する公告も掲載されていますが、減資の理由や減資後資本金は明記されていません。過去の決算に記載された資本金から現在の資本金を推定せず、資金調達と今回の減資の関係も断定していません。

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  • 宇宙関連5社を比較|上場半年・1年・2年後の株価と業績、上場前の参考評価額

    宇宙関連5社を比較|上場半年・1年・2年後の株価と業績、上場前の参考評価額

    国内の宇宙関連企業5社を、上場から6か月・1年・2年後の株価、直近3期の業績、上場前の最終資金調達時の参考評価額で比較しました。宇宙ビジネスへの期待が株価に表れやすい一方、売上の拡大、開発投資、政府支援はそれぞれ別に読む必要があります。

    本記事は、当サイトが公開資料を独自に収集・分析したものです。情報の正確性・完全性は保証しかねます。決算期、会計基準、補助金の扱いなどが各社で異なります。投資判断に際しては、必ず各社の最新の公式開示をご確認ください。

    資料確認日:2026年10月5日。業績は同日までに公表された最新の通期決算を使用し、四半期・予想値を混ぜていません。株価は各社の上場後の指定時点を比べており、現在株価の比較ではありません。

    比較対象:国内の宇宙専業・主力企業5社

    企業/コード 主な事業 最初の
    上場日
    公募価格 公募時価総額
    (億円)
    初値価格 初値時価総額
    (億円)
    ispace
    9348
    月面輸送・月面探査 2023/04/12 254円 204.27 1,000円 804.21
    QPS研究所/QPS HD
    5595→464A
    小型SAR衛星・観測データ 2023/12/06 390円 136.50 860円 301.00
    アストロスケールHD
    186A
    軌道上サービス・デブリ除去 2024/06/05 850円 960.74 1,281円 1,447.89
    Synspective
    290A
    小型SAR衛星・データ解析 2024/12/19 480円 519.60 736円 796.71
    アクセルスペースHD
    402A
    小型衛星の開発・運用・画像データ 2025/08/13 375円 240.19 751円 481.02

    表は横にスクロールできます。公募時価総額=公募価格 × 上場時発行済株式数、初値時価総額=初値価格 × 同じ株式数で計算しています。上場時の公募増資は含み、その後のオーバーアロットメントに伴う第三者割当増資や新株予約権行使は含めていません。いずれも完全希薄化後の時価総額ではありません。ispaceの初値形成日は上場翌日の2023年4月13日、ほかの4社は上場当日です。

    上場時株式数の計算根拠・出典
    • ispace:原本で確認した80,420,620株。
    • QPS研究所/QPS HD:原本で確認した35,000,100株。訂正後の公募8,918,600株(国内・海外合計)を上場前26,081,500株に加算。
    • アストロスケールHD:原本で確認した113,028,400株。
    • Synspective:原本で確認した108,249,150株。
    • アクセルスペースHD:原本で確認した64,050,900株。

    初値の補足出典:EY(ispace・QPS・アストロスケール)、東京IPO(Synspective)、東京IPO(アクセルスペース)。

    QPSは2023年12月のQPS研究所のIPOを起点とします。2025年12月1日にQPSホールディングスへ移行し、旧会社1株に新会社1株が割り当てられたため、2年後の株価は464Aを使って接続しています。株式移転の割当条件(決算短信本文14頁)、新会社の上場承認公告。

    上場から6か月・1年・2年後の株価

    基本の比較は公募価格を起点にしています。上場後の市場で買う場合とは結果が異なるため、公募価格ベースの騰落率を「上場後に誰もが得られたリターン」とは解釈しないでください。終値は上場日から暦で6・12・24か月後、休場日の場合は直前の取引日です。配当・税・売買手数料は含みません。

    公募価格を100とした宇宙関連5社の上場後株価比較
    画像を押すと拡大表示できます。決算情報サーチ作成/元データと集計条件は本文の表・出典を参照。
    企業 公募価格 6か月後:終値/騰落率 1年後:終値/騰落率 2年後:終値/騰落率
    ispace 254円 888円
    +249.6%
    2023/10/12
    815円
    +220.9%
    2024/04/12
    721円
    +183.9%
    2025/04/11
    QPS研究所/QPS HD 390円 2,452円
    +528.7%
    2024/06/06
    1,293円
    +231.5%
    2024/12/06
    1,818円
    +366.2%
    2025/12/05
    アストロスケールHD 850円 744円
    -12.5%
    2024/12/05
    710円
    -16.5%
    2025/06/05
    2,090円
    +145.9%
    2026/06/05
    Synspective 480円 955円
    +99.0%
    2025/06/19
    1,245円
    +159.4%
    2025/12/19
    未到達(2026/12/19)
    アクセルスペースHD 375円 510円
    +36.0%
    2026/02/13
    539円
    +43.7%
    2026/08/13
    未到達(2027/08/13)

    公募価格ベースでは、QPSは半年後に約6.3倍、2年後も約4.7倍。ispaceは2年後に約2.8倍です。一方、アストロスケールは半年・1年時点で公募価格を下回り、2年時点で約2.5倍となりました。Synspectiveとアクセルスペースは、まだ2年後の比較時点に到達していません。上場時期が異なるため、同じ相場環境での成績比較ではありません。

    公募価格と初値では、見え方が変わる

    初値を基準にすると、ispaceの2年後721円は初値1,000円に対して27.9%下落、QPSの2年後1,818円は初値860円に対して111.4%上昇、アストロスケールの2年後2,090円は初値1,281円に対して63.2%上昇です。公募価格からの伸びだけで評価すると、上場直後の値上がりを含む点に注意が必要です。ispaceの初値成立は上場翌日の2023年4月13日です。

    初値の補足出典:EY「宇宙スタートアップ3社のIPOに関する比較分析」。初値は取引開始時の価格であり、初日の終値ではありません。

    業績推移:売上の拡大と利益は別に読む

    宇宙関連5社の直近3期売上高の線グラフ
    画像を押すと拡大表示できます。決算情報サーチ作成/元データと集計条件は本文の表・出典を参照。
    宇宙関連5社の直近3期純損益の線グラフ
    画像を押すと拡大表示できます。決算情報サーチ作成/元データと集計条件は本文の表・出典を参照。

    単位は億円。日本基準は売上高、アストロスケールのIFRSは売上収益です。純利益は親会社株主・所有者に帰属する損益を基本とし、QPSの2024・2025年5月期は旧会社の単体純損益、2026年5月期はHD連結の12か月実績を接続しています。Synspectiveは2023~2025年12月期、ほか4社は2024~2026年の各決算期です。

    企業 2期前(売上/純損益) 前期(売上/純損益) 最新通期(売上/純損益) 最新営業損益
    ispace 2024/03期
    売上 23.57
    純損益 -23.66
    2025/03期
    売上 47.43
    純損益 -119.45
    2026/03期
    売上 33.07
    純損益 -81.52
    -115.80
    QPS研究所/QPS HD 2024/05期
    売上 16.53
    純損益 -4.27
    2025/05期
    売上 26.81
    純損益 -18.48
    2026/05期
    売上 38.03
    純損益 11.52
    -8.33
    アストロスケールHD 2024/04期
    売上 28.53
    純損益 -91.81
    2025/04期
    売上 24.57
    純損益 -215.52
    2026/04期
    売上 59.41
    純損益 -71.15
    -99.75
    Synspective 2023/12期
    売上 13.86
    純損益 -15.20
    2024/12期
    売上 23.16
    純損益 -35.92
    2025/12期
    売上 23.76
    純損益 -3.71
    -41.37
    アクセルスペースHD 2024/05期
    売上 21.10
    純損益 -31.74
    2025/05期
    売上 15.86
    純損益 -19.50
    2026/05期
    売上 25.08
    純損益 -40.57
    -38.22

    補助金を含む指標を、売上高と混同しない

    企業/最新期 売上高・売上収益 補足指標・その他収益 読み方
    ispace/2026年3月 33.07億円 プロジェクト収益 58.90億円 売上高と政府補助金収入を合算した独自指標
    QPS/2026年5月 38.03億円 事業収益 63.12億円 売上高+補助金等(共同研究収入を含む営業外収益)
    アストロスケール/2026年4月 59.41億円 その他の収益に政府補助金 62.02億円 IFRSで営業損益に含まれる。売上収益とは別項目
    Synspective/2025年12月 23.76億円 総収入 61.40億円 売上高と政府補助金収入を合算した独自指標
    アクセルスペース/2026年5月 25.08億円 総収入 29.95億円 売上高と補助金収入を合算した独自指標

    これらは同じ定義の指標ではありません。日本基準各社では補助金等が営業外収益に入る一方、アストロスケールではIFRSのその他の収益として営業損益に含まれます。「純利益が改善した」ことと「売上から営業利益が出るようになった」ことは区別して読む必要があります。将来の補助金採択額・受注残も、その期に計上された売上とは別です。

    各社の決算をどう読むか

    ispace:純損失は縮小したが、売上減少と営業赤字は続く

    2026年3月期の売上高は33.07億円で前期比30.3%減。営業損失は115.80億円へ拡大しましたが、純損失は119.45億円から81.52億円へ縮小しました。政府補助金を含むプロジェクト収益は58.90億円へ増えており、売上高だけと独自指標では方向が異なります。月面輸送は開発・ミッション進捗の影響を受けるため、株価の節目と通期損益を単純に結び付けるのは難しい状況です。2026年3月期決算短信。

    QPS:売上は拡大、純黒字化と営業赤字の両方を見る

    売上高は16.53億円、26.81億円、38.03億円と拡大しました。2026年5月期の純利益は11.52億円ですが、営業損益は8.33億円の赤字です。画像データ提供の伸びに加え、宇宙戦略基金による補助金17.23億円、共同研究収入7.12億円などが営業外収益に計上されています。衛星の増加に伴う減価償却費なども増えており、今後は売上の成長に加えて営業損益の改善を確認したい企業です。2026年5月期説明資料5~6頁。

    アストロスケール:売上回復と損失縮小、会計上の要因も確認

    2026年4月期の売上収益は59.41億円となり、前期の24.57億円から回復。純損失も215.52億円から71.15億円へ縮小しました。ただし、政府補助金がその他の収益として営業損益に含まれることや、LEXI-P開発費の資産計上等の影響があります。純損益の改善だけから事業の採算が確立したと判断せず、案件の進捗、費用計上と資産計上、支援収入を併せて確認する必要があります。2026年4月期有価証券報告書。

    Synspective:売上は横ばいに近く、補助金が損益を下支え

    2025年12月期の売上高は23.76億円で前期比2.6%増。一方、政府補助金を含む総収入は61.40億円へ拡大しました。営業損失は41.37億円ですが、純損失は3.71億円まで縮小しています。補助金による開発支援と、顧客向け売上の成長は別々に評価するのが適切です。上場1年後の株価は公募価格を大きく上回りますが、それだけで持続的な営業黒字化を示すものではありません。2025年12月期決算短信。

    アクセルスペース:増収に転じる一方、開発投資の負担が残る

    売上高は2025年5月期の15.86億円から2026年5月期に25.08億円へ増加しました。ただし、2024年5月期の21.10億円から見ると毎年一直線に伸びたわけではありません。営業損失は38.22億円、純損失は40.57億円へ拡大しています。衛星開発・運用の規模拡大が、どの時期に継続的な売上と採算に結び付くかが注目点です。株価は指定した半年・1年時点の比較であり、現在の水準を示していません。2026年5月期決算短信。

    目論見書から調べた、上場前の最終資金調達時の参考評価額

    重要:上場前の金額は、目論見書・新規公開時の届出書から当サイトが計算した「参考評価額」です。
    会社が公表した正式な時価総額や、完全希薄化後の評価額を示すものではありません。最終資金調達の優先株式の発行価額を普通株式を含む全種類の発行済株式に適用した単純推計で、株式ごとの権利差は調整していません。上場後との比較も、この仮定に基づく参考比較です。

    各社の新規公開時の届出書にある「発行済株式総数、資本金等の推移」と第三者割当等の注記から、上場前の最後の外部投資家向け有償増資を抽出しました。IPO募集、従業員向け新株予約権の行使、株式の転換・分割は資金調達ラウンドから除いています。

    計算式:当該ラウンドの1株当たり発行価額 × 払込直後の発行済株式数(普通株式と全種類の優先株式の合計)。ストックオプションを含まない、発行済ベースのポストマネー参考値です。未上場企業の「市場の時価総額」が観測できるわけではありません。

    企業/最終払込日 発行した種類 当時の1株発行価額 増資直後の発行済株式数 参考評価額
    ispace
    2021/10/22
    C種優先 24,071円 2,694,305株 648.55億円
    QPS研究所/QPS HD
    2023/02/28
    B種優先 70,000円 260,815株 182.57億円
    アストロスケールHD
    2023/10/06
    G種優先 1,250円 90,848,200株 1,135.60億円
    Synspective
    2024/06/10
    D種優先 78,000円 568,301株 443.27億円
    アクセルスペースHD
    2023/12/29
    D種優先 113,699円 216,950株 246.67億円

    優先株式と普通株式では、残余財産の分配などの権利が異なります。最新ラウンドの発行価額を全種類の株式に適用する単純推計であり、会社が公表した正式な評価額や完全希薄化後評価額とは限りません。特にSynspectiveは後の普通株式への転換でC1種・D種が1株につき1.05株となっています。この表は転換前の株数・発行価額を用いた参考計算です。株式分割前の数値で計算しており、IPO価格との1株単価の直接比較はできません。

    この参考計算では、アストロスケールが約1,136億円、ispaceが約649億円、Synspectiveが約443億円、アクセルスペースが約247億円、QPSが約183億円となります。資金調達日、株式の権利、事業段階が異なるため、割安・割高の順位には使えません。未上場時の期待の大きさを振り返る補助材料として読むのが適切です。

    評価額の計算に使った原本と株数内訳

    • ispace:新規公開時届出書(本文93~94頁、181頁)。株数内訳:普通1,008,363+A1種904,556+A2種344,573+B種205,564+C種231,249=2,694,305株。
    • QPS研究所/QPS HD:新規公開時届出書(本文50~52頁、113頁)。株数内訳:普通80,000+A種96,507+B種84,308=260,815株。
    • アストロスケールHD:新規公開時届出書(PDF136頁、220頁、271頁)。株数内訳:普通30,884,900+A種5,390,000+B種9,179,100+C種7,471,500+D種13,876,400+E種5,956,500+F種10,063,400+G種8,026,400=90,848,200株。
    • Synspective:新規公開時届出書(本文65~68頁、162~163頁)。株数内訳:普通100,000+A種86,200+B種160,558+C1種131,794+D種89,749=568,301株。
    • アクセルスペースHD:新規公開時届出書(本文87~88頁、189頁)。株数内訳:普通49,500+A種30,338+B種36,371+C種35,467+C2種10,387+D種54,887=216,950株。

    上場後の最高・最低時価総額と、上場前参考評価額との比較

    集計対象は各社の上場から2026年10月2日までです。最高・最低は日中の高値・安値を用いた概算レンジで、終値ベースの最高・最低とは異なります。直近欄は10月2日の終値ベースの時価総額です。単位は億円、表示は小数第1位に丸めています。

    IRBANKの決算期別高安時価総額と全期間の月次・日次株価を照合しました。直近期間の最高値などは該当時期の決算短信・有価証券報告書の発行済株式数を使って計算しています。株数は日々の新株予約権行使まで完全に復元したものではないため、厳密な日次時価総額の最高・最低を保証する数値ではありません。現在の株数を過去の全株価に一律適用する計算は行っていません。QPSは旧QPS研究所からQPS HDへの1対1の株式移転を接続しています。

    企業 上場後の最高
    (概算・日中高値)
    上場後の最低
    (概算・日中安値)
    直近時価総額
    (10/2終値)
    ispace 1,908.4
    2023/04/19
    400.6
    2024/08/05
    588.2
    QPS研究所/QPS HD 2,505.3
    2026/05/29
    225.1
    2023/12/07
    912.2
    アストロスケールHD 4,097.6
    2026/05/27
    597.3
    2024/08/05
    1,694.1
    Synspective 2,822.2
    2026/05/27
    486.0
    2025/01/20
    1,897.0
    アクセルスペースHD 730.8
    2025/08/20
    211.3
    2026/10/02
    213.9

    上場前の参考値を、上場後は上回ったのか

    比較の分母は、上の目論見書等から計算した参考評価額です。未上場時の正式な市場時価総額を示すものではありません。

    企業 上場前の
    参考評価額(億円)
    最高/参考値 最低/参考値 直近/参考値
    ispace 648.5 2.94倍
    参考値を上回る
    0.62倍
    参考値を下回る
    0.91倍
    参考値を下回る
    QPS研究所/QPS HD 182.6 13.72倍
    参考値を上回る
    1.23倍
    参考値を上回る
    5.00倍
    参考値を上回る
    アストロスケールHD 1,135.6 3.61倍
    参考値を上回る
    0.53倍
    参考値を下回る
    1.49倍
    参考値を上回る
    Synspective 443.3 6.37倍
    参考値を上回る
    1.10倍
    参考値を上回る
    4.28倍
    参考値を上回る
    アクセルスペースHD 246.7 2.96倍
    参考値を上回る
    0.86倍
    参考値を下回る
    0.87倍
    参考値を下回る

    上場時点に限ると、公募価格ベースの時価総額が上場前参考値を上回るのはSynspectiveで、残る4社は下回ります。一方、初値ベースでは5社すべてが参考値を上回ります。公募価格・初値・上場後最高・直近という評価時点を区別して見ることが大切です。

    一度でも上回ったかという問いには、今回の概算では5社すべてが「上回った」となります。最高値はQPSが参考評価額の約13.72倍、Synspectiveが約6.37倍、アストロスケールが約3.61倍、アクセルスペースが約2.96倍、ispaceが約2.94倍です。

    ただし、直近でも上回っているかは別の結果になります。10月2日終値ではQPSが約5.00倍、Synspectiveが約4.28倍、アストロスケールが約1.49倍で参考値を上回ります。一方、ispaceは約0.91倍、アクセルスペースは約0.87倍で下回ります。最低値の概算では、QPSとSynspectiveは参考値より上、ほかの3社は参考値より下でした。

    この倍率は企業全体の株式評価額の比較であり、上場前投資家の投資リターンや、同じ1株の値上がり率ではありません。上場時・上場後の増資で株式数と手元資金が増えるため、時価総額の拡大には株価上昇と資金調達の両方が含まれます。優先株式の権利、普通株式への転換比率、希薄化や配当なども投資家ごとの損益を左右します。

    高安レンジの算定根拠

    • ispace:決算期別高安値を採用。最高約1,908.4億円、最低約400.6億円。
    • QPS:最高値は4,485円 × 55,860,500株(2026年5月末)=約2,505.3億円。最低は旧QPS研究所の決算期別値約225.1億円。
    • アストロスケール:最高値は3,015円 × 135,905,600株(2026年4月末)=約4,097.6億円。6月の新株発行を5月の計算に遡及させていません。最低は決算期別値約597.3億円。
    • Synspective:最高値は2,140円 × 131,879,450株(2026年3月末)=約2,822.2億円。最低は決算期別値約486.0億円。
    • アクセルスペース:最高は決算期別値約730.8億円。最低値は317円 × 66,640,600株(2026年5月末)=約211.3億円。

    追加出典:IRBANKの時価総額・株価履歴(ispace、旧QPS研究所、QPS HD、アストロスケール、Synspective、アクセルスペース)。株数は本記事の各社決算原本、およびSynspective 2026年12月期第1四半期決算短信を参照。

    比較から見えること

    今回の5社では、増収と営業黒字化は同時に進んでいません。QPSのように売上が伸びて純黒字化しても営業赤字が残る企業や、Synspectiveのように補助金が純損益を下支えする企業があります。アストロスケールは売上回復と損失縮小が目立ちますが、会計基準と開発費の扱いも確認が必要です。

    株価についても、公募価格と初値のどちらを起点にするかで評価が変わります。また、増資による発行済株式数の変化を含む時価総額と、今回比較した1株当たり株価の伸びは同じではありません。今後の比較では、顧客向けの売上、営業損益、開発投資と支援収入、資金調達による希薄化を一緒に追うと、期待と実績の変化を把握しやすくなります。

    出典・集計条件

  • 電力13社を比較|業績・時価総額・契約KPIと発電ポートフォリオ

    電力13社を比較|業績・時価総額・契約KPIと発電ポートフォリオ

    本記事は当サイトが独自に公開資料を収集・分析したものです。正確性・完全性を保証するものではありません。会計基準や集計範囲、資料の更新時点の違いがあるため、各社の原資料と併せてご確認ください。

    大手電力10社にJ-POWER、新電力のイーレックスとグリムスを加えた13社について、業績、時価総額、販売・契約KPI、発電ポートフォリオを比較します。売上規模だけでなく、電気をどれだけ販売し、どの電源で支え、どれだけ利益を残しているかを見ていきます。

    比較する13社と集計条件

    業績は2026年3月期(2025年4月〜2026年3月)の連結通期決算、時価総額は2026年10月5日の東証終値時点です。売上高・営業収益を「売上」として整理し、純利益は親会社株主・所有者に帰属する値を使用しました。イーレックスはIFRS、他の12社は日本基準です。

    大手10社は小売に加え、発電・送配電などを含みます。J-POWERは発電・卸売や海外事業が中心、イーレックスは小売とバイオマス発電・燃料、グリムスは小売と太陽光設備・省エネサービスなどを持ちます。新電力2社は公開資料で追える例を選んだもので、業界の上位2社を意味しません。

    九州電力は2026年10月1日に完全親会社キューデンホールディングス(642A)を設立・上場しました。本稿の業績は再編前の九州電力連結、時価総額はキューデンHDです。新持株会社の公式発表。

    業績比較:規模と利益率を並べて見る

    金額:億円。売上の下段は前年比、営業利益の下段は利益率です。営業利益率=営業利益÷売上。前年増減は同じ会社の前期表示値と比較。スマートフォンでは表を横スクロールできます。

    会社 売上
    (前年比)
    営業利益
    (利益率)
    純利益
    東京電力HD
    9501
    63,285.7
    前年比-7.1%
    3,376.9
    利益率5.3%
    -4,542.6
    関西電力
    9503
    40,566.4
    前年比-6.5%
    4,375.6
    利益率10.8%
    3,800.5
    中部電力
    9502
    35,460.4
    前年比-3.4%
    2,300.4
    利益率6.5%
    2,277.9
    東北電力
    9506
    23,724.2
    前年比-10.3%
    1,603.8
    利益率6.8%
    849.8
    九州電力グループ
    9508→642A
    22,472.1
    前年比-4.7%
    2,248.5
    利益率10.0%
    1,545.3
    中国電力
    9504
    14,423.0
    前年比-5.7%
    902.2
    利益率6.3%
    685.4
    J-POWER
    9513
    11,822.6
    前年比-10.2%
    1,009.9
    利益率8.5%
    585.4
    北海道電力
    9509
    8,559.8
    前年比-5.1%
    732.4
    利益率8.6%
    440.0
    北陸電力
    9505
    7,865.5
    前年比-8.4%
    874.6
    利益率11.1%
    544.7
    四国電力
    9507
    7,618.6
    前年比-10.5%
    678.5
    利益率8.9%
    508.1
    沖縄電力
    9511
    2,201.8
    前年比-6.9%
    92.9
    利益率4.2%
    62.3
    イーレックス
    9517
    1,691.7
    前年比-1.2%
    75.2
    利益率4.4%
    53.3
    グリムス
    3150
    339.4
    前年比+1.8%
    71.5
    利益率21.1%
    49.0
    13社の2026年3月期売上高・営業収益比較
    出典は本文・末尾の原資料。当サイトが数値から作成。

    売上では東京電力HDの約6.33兆円が最大で、関西電力約4.06兆円、中部電力約3.55兆円が続きます。一方、営業利益の最大は関西電力の約4,376億円。売上規模と利益の順位は一致しません。

    13社の営業利益と親会社帰属純利益・損失比較
    出典は本文・末尾の原資料。当サイトが数値から作成。

    東京電力HDは営業利益約3,377億円を計上しながら、最終損益は約4,543億円の赤字でした。決算短信では災害特別損失約9,138億円、原子力損害賠償費約827億円などを計上しています。本業の営業利益と特別損益を分けて見る必要があります。東京電力HD決算短信。

    グリムスの連結営業利益率は約21.1%ですが、太陽光設備等の事業を含みます。小売電気事業だけでは売上約192.4億円、営業利益約28.9億円で、営業利益率は約15.0%。大手電力の連結利益率と単純に効率を順位付けできません。グリムス決算説明資料。

    時価総額:関西・中部が大きく、売上順位と異なる

    2026年10月5日終値時点の13社時価総額
    出典は本文・末尾の原資料。当サイトが数値から作成。
    会社 時価総額(億円) 出典
    関西電力 29,055.0 株式指標
    中部電力 19,908.9 株式指標
    九州電力グループ 9,209.8 株式指標
    東京電力HD 8,403.1 株式指標
    J-POWER 6,956.5 株式指標
    東北電力 6,240.8 株式指標
    四国電力 4,317.6 株式指標
    中国電力 3,784.8 株式指標
    北海道電力 2,286.4 株式指標
    北陸電力 2,210.6 株式指標
    沖縄電力 646.1 株式指標
    イーレックス 623.4 株式指標
    グリムス 563.0 株式指標

    関西電力は約2.91兆円、中部電力は約1.99兆円。売上最大の東京電力HDは約0.84兆円で、売上の大小がそのまま市場評価額につながるわけではありません。利益の継続性、負債、設備投資、原子力や廃炉に伴う費用などが評価に影響し得ますが、この比較だけで市場評価の原因や株価の割安・割高は断定できません。

    時価総額は株価×発行済株式数による株式の市場評価額です。負債を含む企業価値や発電設備の規模とは異なります。時価総額と年度利益の時点も違うため、本表から単純な投資判断は行えません。

    販売・契約KPI:契約の多さと電力の量は別

    単位:億kWh。1億kWh=100GWh。契約件数だけでは家庭・工場などの需要規模の違いが分からないため、販売電力量を軸にしました。単体・グループの範囲は各行に記載。J-POWERの卸売は小売と別指標で、順位比較には用いません。

    会社 2025年度の電力量 集計範囲
    北海道電力 220.58 北海道電力単体・小売
    東北電力 582.19 東北電力単体・小売
    東京電力HD 1,719.00 グループ・小売
    中部電力 1,200.00 ミライズ・子会社・関連会社の小売
    北陸電力 247.76 北陸電力単体・小売(訂正後)
    関西電力 1,162.73 関西電力単体・小売
    中国電力 454.20 中国電力単体・小売
    四国電力 228.94 四国電力単体・小売
    九州電力グループ 686.00 九州電力等のグループ・小売
    沖縄電力 72.06 沖縄電力単体・電灯+電力
    J-POWER 667.12 国内発電事業の販売(市場調達含む)
    イーレックス 40.97 高圧+低圧の小売(説明資料の丸め値)
    グリムス 6.48 グループの小売電気事業
    会社 契約関連KPI 時点・補足
    イーレックス 低圧供給26.8万件/EGM高圧契約容量971MW 2026年3月末。低圧件数と高圧容量は異なる指標
    グリムス 契約7.3万口(前期末6.3万口) 2026年3月末。約1万口、約15.9%増

    グリムスの契約口数は増加しましたが、販売電力量の増加は約4.3%(648,235MWh÷621,796MWh−1)。契約口数の伸びと電力量の伸びに差があるため、1契約当たりの使用量や契約構成の変化も見る必要があります。イーレックスも、低圧の供給件数が増えていても、販売会社譲渡や1件当たり販売量の変化などで低圧販売量は減少しています。

    中国電力は小売電力量が前期比8.9%増えた一方、売上は5.7%減、営業利益は30.1%減。電気の量だけでは業績を説明できません。燃料費調整による単価、仕入れ価格、年度をまたぐ期ずれ、修繕費などの影響を併せて読む必要があります。中国電力決算短信。

    発電ポートフォリオ:年度実績と現在の状態を分ける

    発電量(kWh)は一定期間に作った電気の量、設備容量(kW)は設備の出力規模です。購入した電力を含む小売の電源構成も、保有する発電設備の構成とは違います。下のグラフは内訳を確認できた6社の2025年度自社発電量の参考比較であり、2026年10月の瞬間的な稼働構成ではありません。

    6社の2025年度自社発電量の電源別参考構成
    出典は本文・末尾の原資料。当サイトが数値から作成。

    関西・九州では自社発電の正値内訳に占める原子力が約49%。ただし九州では購入電力等を含む発受電全体に対する原子力比率は27.9%です。分母を変えると比率が大きく変わるため、「原子力比率」の名称だけで横比較しないことが重要です。北海道はこの年度に原子力の発電実績がなく、火力が約80%を占めます。

    この図は購入電力と揚水用の負値を除外し、内訳の合計で指数化しています。単体・連結、発電端・送電端、丸めの差があります。中部・東京はJERAの扱いで範囲が変わるため、同じ図に全社分を加えていません。

    各社の事業上の電源と直近確認できた稼働情報

    確認日:2026年10月5日。下表の電源は運転事業・年度実績のある電源の概要で、各発電機が常時運転していることを意味しません。停止・建設中の原子力は稼働電源に数えません。最新の出力を直接読み取れなかった設備は、その旨と公式確認先を記載しました。

    会社 電源・調達 稼働情報・出典
    北海道電力 火力・水力・再エネ 泊は再稼働に向けた準備段階。2025年度原子力発電量はゼロ。
    2025年度有報/泊の現況
    東北電力 火力・水力・原子力・再エネ 女川2は年度内に発電実績あり。10/5の出力数値は未確認。東通は年度発電実績ゼロ。
    原子力運転情報
    東京電力HD 原子力、水力・再エネ、JERA経由の火力 柏崎刈羽6は10/5 16:20の公式表示で運転中。1〜5・7は定期検査中。
    リアルタイムデータ
    中部電力 水力・再エネ、JERA経由の火力 浜岡は停止・安全性向上対策の対象。2025年度原子力発電実績なし。
    浜岡の運転情報
    北陸電力 火力・水力・再エネ 志賀は年度原子力発電実績なし。七尾大田2は4/28公表の停止・復旧見通しに注意。
    七尾大田2の復旧見通し
    関西電力 原子力・火力・水力・再エネ 10/5確認の公式運転表では美浜3・高浜3は定期検査、大飯3は停止中。各機の出力は公式表参照。
    各機の運転状況
    中国電力 火力・原子力・水力・再エネ 島根2は9/16に営業運転再開を公表。島根3は建設・審査段階として除外。
    9/16営業運転再開
    四国電力 火力・原子力・水力・再エネ 伊方3は年度発電実績あり。10/5の最新出力数値は取得できず、瞬間稼働を未確認。
    伊方3の出力グラフ
    九州電力グループ 原子力・火力・水力・地熱等の再エネ 玄海・川内の原子力に年度発電実績あり。10/5の各機瞬間出力は未確認。
    原子力リアルタイムデータ
    沖縄電力 火力主体、再エネ・購入電力 原子力発電所なし。電源構成と自社の設備構成を混同しない。
    決算短信
    J-POWER 国内の火力・水力・風力・地熱・太陽光、海外電源 大間原子力は建設中として運転電源から除外。
    大間建設状況
    イーレックス バイオマス発電、小売・燃料・海外事業 2025年度は佐伯・豊前・大船渡・中城が稼働。糸魚川は休止。年度以降の各設備瞬間出力は未確認。
    決算短信/発電事業
    グリムス 小売は相対電源・市場調達、太陽光設備販売、系統蓄電池 伊賀BP・豊橋BPⅡは4月本稼働を説明資料に記載。蓄電池は発電源と別枠。計画中設備は除外。
    5/15説明資料 p.18

    東京電力と中部電力の火力は、両グループが持分法で関わるJERAを通じて見る必要があります。JERAの全発電量・設備容量を東京と中部の両方に丸ごと加えると二重計上になります。本稿では火力の保有・運営関係を表に示し、連結売上とJERAの売上・設備を合算しません。

    J-POWERは設備容量も補足

    国内設備(2026年3月末) 容量(万kW)
    水力 859.0
    風力 58.8
    地熱・太陽光 4.7
    火力 791.2
    国内合計 1,713.7

    J-POWERは国内設備容量が約1,714万kWで、水力と火力が大きな柱です。これは設備容量の構成であり、発電量やその日の稼働率ではありません。2025年度の国内発電事業販売は667.12億kWhですが、市場からの調達150.01億kWhを含むため、その全量を自社発電と扱うこともできません。J-POWER決算短信・設備/販売データ。

    考察:3つの視点で違いを読む

    1.売上の減少が需要の減少とは限らない

    燃料価格の低下が燃料費調整額や販売単価を下げれば、販売量が伸びても減収になります。中国電力のように販売量増と減収が同時に起きる例があり、電力量、価格、利益を分けると事業の変化を読みやすくなります。小売契約の数と電力量も、需要家の規模やプラン構成が違うため同じ速度では増えません。

    2.原子力の発電量と利益は、時期をそろえて考える

    原子力を利用する関西・九州等では、火力燃料と購入電力の負担を抑える効果が考えられます。ただし、修繕や定期検査、減価償却、安全対策投資も伴い、原子力比率だけで利益を説明できません。東京の柏崎刈羽6や中国の島根2の直近運転情報は、2025年度決算とは時期が異なります。直近の稼働状態を前年一年間に当てはめず、決算対象期間内の発電量と今後の販売量・費用への影響を分けて確認する必要があります。

    3.新電力は契約獲得だけでなく、調達と周辺事業を見る

    イーレックスは小売・発電・燃料を組み合わせ、グリムスは小売に太陽光設備や省エネサービスを組み合わせています。連結利益率の違いには事業構成の差も含まれます。契約件数、販売電力量、調達価格と販売価格の差、発電設備の稼働、周辺事業の利益を併せて見ていくことが重要です。

    出典・原資料

    時価総額は各行のYahoo!ファイナンス株式指標(2026年10月5日15:30)を確認。決算・KPI・稼働情報の収集日:2026年10月5日。小売KPI、設備容量、年度発電量、リアルタイム出力は集計範囲・時点が異なります。欠損値を推定で補っていません。